土谷勝悦議員(みらい21)代表質問要旨

日時:平成17年2月21日午後1時

2月21日に会派みらい21の幹事長として代表質問を行いました。
2月定例県議会が2月14日から3月9日までの24日間の日程で行われ、代表質問では、寺田知事に対して県政の課題や会派としての総合的な質問をしました。


財政問題について

土谷質問

本県の財政指数は、平成15年度決算で起債制限比率14.5%で全国の下から十番目、公債比率は22.8%で全国の下から四番目、公債費負担比率は27.9%で全国の下から二番目、経常収支率は88.5%で全国二十番目となっている。
また、県債残高が平成16年度末には1兆2000億円、財政調整基金、減債基金、地域振興基金の三基金の残高は、543億円となっている。これらの数値から見ても健全と言えない。
国の三位一体改革に伴う国庫補助金や地方交付税の削減などが具体的になった中で本県の将来的な財政見通しについては、いつ頃具体的に示すのか。
また、今回の骨格予算である当初予算編成に当たって、どのような配慮をして編成したのか。
さらに、この予算には知事のどのような思いが反映されているのか。


知事答弁
新たな「財政運営方針」については、6月補正予算を加味し、示すことになる。
予算編成は、事務事業の見直しや行政コストの縮減に加え、プライマリーバランスを黒字とするなど、5項目にわたる重点施策の着実な推進を図る。
また、公共事業の本年度比9割程度の確保と合わせ、安全・安心対策、教育関連施策など4月当初から実施すべき事業を盛り込んでおり、県政運営が停滞することなく、県内経済や県民生活に影響を与えないよう十分配慮した。


危機管理について

土谷質問

昨年の日本列島は、たび重なる台風や新潟県中越地震など、自然災害多発の年であった。本年においても、塩害等甚大な被害を被ったところである。
こうした中で、近年における数々の災害事例を検証しながら、県の防災計画の見直しを図るべきだ。

1. 避難所・避難経路の安全確保について

有事の際の避難所は、津波、土砂崩落あるいは建物の耐震性において、本当に安全なのか。豪雪地帯における避難経路は確保されているかなど、市町村に対して改めて確認する必要があるのでないか。

2. 地域防災組織について

避難する場合、病人、老人、子供達への気配り・目配りは、地域防災組織に頼ることになるが、組織の無い地域への対応はどうするのか。

3. 特殊部隊の養成について

中越地震においては東京消防庁ハイパーレスキュー隊(消防救助機動部隊)など、特殊な訓練を積んだ隊が活躍していたが、県内でも特殊部隊を養成する考えはないのか。

4. 孤立集落への対応について

土砂崩落等が発生した場合、孤立する可能性の高い集落は、県内39市町村に171集落あるといわれている。これらの地域に対する有事の際の対応は、どうするのか。

5. 情報提供システムの構築について

正確で迅速な情報を得るための情報提供システムを確立する必要があるほか、沿岸市町村では津波観測システムが不可欠だ。こうした情報システムの構築は万全か。また、県内の携帯電話不感地帯の改善策は考えているのか。

6. 被災地での情報共有について

災害地域支援ボランティアと行政、地域住民との情報共有を始めとする連携をどのように考えているのか。

7. 災害発生時の対応に係る啓蒙活動について

県民が地震発生時には、火(火事の心配)・水(津波、洪水)・土(土砂崩落、土石流)に対する対応が瞬時に浮かぶようなシンプルで分かりやすく、身に付く啓蒙が必要だと考えるがどうか。


知事答弁

  1. 避難所の指定に当たっては指定場所と災害危険地域が重複しないことや、豪雪時において避難路となる生活道路について適切に除雪を実施するよう、市町村を指導している。
    避難所に指定されている耐震改修促進法の対象となる市町村公共施設のうち、耐震診断を実施しているのは33%、耐震改修済みは21%となっており、学校施設のほとんどが避難所に指定されている。法律の対象となる小中高校の耐震化優先度調査に要する経費を予算化し、公共施設の安全性が確保されるよう、市町村と連携しながら計画的に耐震改修の促進に努めていく。

  2. 市町村では、民生委員やホームヘルパーなどが協力し、生活状況の把握に努めているほか、一人暮らしの高齢者宅には、「ふれあい安心電話」等を設置し、ほぼ全市町村で緊急連絡がとれる体制となっている。
    県は新たに「安全・安心まちづくりチーム」を設置し、市町村と連携して自主防災組織の立ち上げや活動の活性化を推進していく。

  3. 特殊部隊は、通称ハイパーレスキュー隊と呼ばれ、東京消防庁や大阪消防局などが設置している。本県においては、各消防本部に18の救助隊が設置されており、424名の隊員が、救助技術の向上を図っている。

  4. 孤立するおそれのある集落については、現地の消防団員等から直接被害情報を収集できる仕組みの構築や、衛星携帯電話や双方向の通信ができる無線設備の導入を進めるよう、市町村に働きかけていく。

  5. 一部市町村では防災行政無線が不整備なところもあり、これら無線の整備や無線に代わる伝達手段の整備を働きかけていく。携帯電話の基盤の整備は通信業者によることが原則であり、採算に見合う加入者が見込めない地域においては、国庫補助事業を活用して整備を進めていく。

  6. 災害情報の提供は、被災地市町村と社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを設置し、情報の提供やボランティア活動の支援に努めていく。特に、被災地では「災害ボランティアコーディネーター」が重要な役割を担うことから、養成研修を実施し確保に努めていく。

  7. 県民が「自らの安全は自らが守る」ことを防災の基本として、地域における防災活動に支援・協力するなどの広報活動や防災訓練に取り組んでいる。本年度から、避難時の注意点や市町村との連携など、広くゲーム感覚で災害対応策を身に付けることを目的とした簡易図上訓練「DIG」を実施している。

福祉問題について

土谷質問

平成16年度内閣府が発表した「社会資本の整備に関する世論調査」によると少子高齢化への対応が必要と答えた人が48.2%でトップとなっていた。
国では、「ゴールドプラン21」を策定し、高齢者保健福祉施策の方向を示している。県でも「お達者あきたサポートプラン」に基づき、総合的な取り組みをしているが、新年度からは、介護保険の見直しや予防重視型システムへの転換、施設入所者の食費や居住者の自己負担の見直しなど、新たな負担が増えることが予想される。

1. 高齢者福祉の取り組みについて

福祉政策を推進するにあたって、これまでの進捗状況と今後の取り組みビジョンはどうか。

2.高齢者福祉対策窓口の一本化について

本県は高齢者65歳以上の占める割合が26.2%であり、高齢化率全国一になるのも時間の問題だ。高齢者福祉対策をこれまでの健康福祉部や生活環境部だけでなく、他部も含め横断的に取り組む、例えば、「高齢者総合福祉対策室」を設け、窓口の一本化を図るべきと思うがどうか。

3. 高齢者福祉行政の展望について

2007年からの3年間に700万人の団塊の世代が定年を迎え、日本経済と企業経営に影響を与えるといわれている。本県でも、この問題は大きな福祉行政課題になると思うが、県の将来の福祉行政における高齢者対策についてのビジョンへの見解はどうか


知事答弁

  1. 健康づくりをサポートするため、「チーム21」を立ち上げ、市町村や関係団体と連携し ながら県民運動として展開していく。
    介護サービス基盤の整備の進捗状況は平成16年4月現在で、在宅や施設介護サービス、また、人材の確保などについて90%以上の達成率となっている。
    今後は、身近なところで在宅サービスと施設サービスを併せ持った小規模・多機能型施設の整備促進を図っていく。

  2. 県が高齢者福祉行政を円滑に進めるには、市町村との役割分担のもと、広域調整や専門的なサポートなどを主体に対応していく必要がある。そのためには、広範かつ専門的な行政分野を一つの部署で掌握することは現実的でなく、むしろ、市町村に対する高齢者福祉対策の窓口になっている長寿社会課が、庁内を横断的に取りまとめ、対応していくのが適切であると考える。

  3. 健康づくりを高齢者施策の大きな目標として位置づけ、県民運動として支援していく。また、高齢者自らの社会参加を促すため、外に出かけて活発な交流ができるような支援を行うとともに、特に、団塊の世代の方々が慣れ親しんだ情報化技術を駆使しながら、居ながらにして多くのコミュニケーションが可能となる方策への支援も考えていく。

自殺予防対策について

土谷質問

本県の自殺率は平成15年まで9年連続全国一という不名誉な記録になっている。予防策について様々な観点から分析し、総合的な施策を取るべきだと思うがどうか。


知事答弁

自殺をタブー視することなく、「うつ」等の実態への理解を深めるなど、地域を挙げて、互いに思いやり、ともに支え合うというシステムを構築し、地域において成果がみられてきていることから、県内全地域で、市町村やNPOなど民間の方々と協力して、地域の実情に即した対策の実施に努めていく。


農業問題について

土谷質問

食料・農業・農村基本計画の変更について、農林水産大臣から審議会に対して諮問を行い、その際、
 (1)品目横断的政策への転換
 (2)担い手、農地制度の見直し
 (3)農業環境、資源保全政策の確立を重点的に取り組む必要があるとの意向が示されている。
農政の改革には格段のスピードアップが不可欠であり、可能なものから制度改革の中で具体化を図ることが示されており、新年度に向けて、国では新たな計画策定に向けた動きが活発、具体化している。

1.本県農業の現状について

農業従事者の減少や高齢化が進む中で、農業経営の規模拡大や新規就業者が少ないなど、生産基盤の維持が困難になってきている。本県の現状はどのようになっているのか。

2. 中山間地域における集落づくりについて

中山間地域等直接支払制度は、とりあえず5年間継続することになったが、今後、「通常単価」プラス交付金加算となり、農地や農道、水路などの保全マップを作り、生産性向上、担い手育成、多面的機能の発揮、集落営農活動、農地集積の5項目から取り組む活動を選択して協定に盛り込むとなっているが、この制度に耐えうる集落づくりに県はどのようなサポートをしていくのか。
また、「日本型直接支払」制度も検討しているようだが、平場においても、集落機能が著しく低下している集落も見られる。県の認識はどうか。

3. 担い手育成及び農地の利用集積について

国は、農地制度を一括して行うための農業経営基盤強化促進法の改正案を国会に提出したが、県も、今まで取り組んできた担い手育成や農地利用集積等の事業を検証し、今後の事業を推進するのに、どのように進めていくのか。

4.農業の推進方向について

この頃では、農業の形態が変わってきたように思われる。国が目指す大型農業の方向から、環境保全型農業や複合経営への取り組みなど、多面的な要素を持った農業への方向性が出てきた。
地産地消やスローフードなど、地域密着型農業が新たな地域おこしや地域の活性化の原動力となっていくと思うが、これらの認識についてどうか。
また、本県の目指す農業は大型化を目指すアメリカ型農業か、地産地消やスローフードなどに代表されるヨーロッパ型農業を目指すのか。または、県独自の秋田型農業の推進を図るのか。なお、県独自の農業を目指すとすれば、その確立を図る政策等はどのようなものか。

5. 農地価格と農業振興について

昭和45年からの整備事業により、すばらしい美田が出来上がっているが、水田の売買価格の下落は、昭和63年から平成5年頃まで10アール当たり200万から250万くらいで推移していたが、現在の実質価格は、約80万円と言われている。これほど農地価格が下落したのは、様々な社会情勢や家庭の事情などにより農地や農業に対する魅力や意欲が失われたからでないか。農業に強い意欲を持たせるために、どのような対策を講じていくのか。

6. 農地取得の構造改革特区について

農地10アールの面積で、水田、畑作半々にするなどし、有機農業や無農薬栽培の作物を作れば、地産地消、スローフードに結びつくのでないか。そのためにも県全体を農業構造改革特別区域設定すべきと思うがどうか。
国が示す大きな農業だけでなく、農地や農業をみんなで共有することになれば、コミュニケーションが生まれ、新規就業者が増えることになり、新たな地域社会や村づくりが出来るかもしれない。「小さな農業」も農政活性化の一つの方向性と考えるが、検討することは出来ないか。


知事答弁

  1. 本県の農業従事者は98,000人で、10年間に3,000人減少したほか、65歳以上が55%を占めている。一方、5ヘクタール以上の農家が、10年前の3割増の3,800戸となり、県内の農地全体の約1/4を占めるなど、経営規模の拡大は着実に進んでいる。地域農業の担い手の柱である認定農業者は東北トップの8,000経営体となっている。
    コメの価格や消費量の低迷が続くと見込まれ、収益性の高い野菜・花きなどを経営の柱とし、コメは補完的な作物に位置づけるなど思いきった発想の転換も必要だ。

  2. 次期対策では、集落の将来像を明らかにする新たな計画づくりが重要である。
    このため、地域振興局が中心となって市町村と連携し、早期に取り組めるよう努めていく。また、計画策定に当たっては、直接話し合いの場に加わり、担い手や農地の状況などの指標を示しながら、地域の実態に沿った取り組みとなるよう支援していく。
    平場については、認定農業者や小規模農家、兼業農家なども農地の集積や環境の保全、水路等の管理に参加し、「集落営農」を育成し、集落機能の維持向上を図っていく。

  3. ほ場整備など、農地集積に有効な手段をとり、大区画化を進め、水田の69%を整備してきた。その結果、農地の約半分が認定農業者などの担い手に集約され、その平均的な経営規模も5ヘクタールまで拡大してきた。
    国では法律改正し、集落営農を市町村の基本構想に位置付け、農地の集積を促進することとしており、この制度を活用し、引き続きほ場整備を計画的に行い、認定農業者を核として、農業法人や集落型経営体を育成し、担い手への農地の利用集積を加速していく。

  4. 認定農業者や農業法人、集落型経営体が、野菜・花きなどを組み合わせた複合経営や大規模で低コストの経営により、農業生産の大半を占める農業構造を確立することが基本である。このような方向のもとに、小規模農家や兼業農家も、集落営農に参画するのか、野菜や花きなどの品目へ転換し、高い収益を目指すのか、自らの経営展望を見極めた選択が迫られていると考えている。
    こうした中で、地産地消や食育の推進については、「顔の見える農業」としてマーケティング対応型農業の第一歩であり、加工・外食分野と結びつき、新たな「食ビジネス」のきっかけにもなることから、地域に密着した、取り組みとして一体的に進めていく。このため「あきたブランド認証制度」を立ち上げ、消費者の信頼を確保する産地づくりを進めるとともに、チーム21を設置し、地産地消や食育などを進める「食の国あきた推進運動」を実施していく。

  5. 農地は、需給動向により、その価格が決まるが、昭和61年をピークに低下傾向にある。農業就業者への賃借権設定や作業受託の活用にとどまらず、積極的に農地を取得する担い手を育成していくことが重要な課題と考えている。
    認定農業者などの担い手が、創意と工夫を持って、規模拡大や複合化・多角化などの経営発展にチャレンジできるよう、夢プラン応援事業や長期・低利融資、農業委員会を通じた農地の集積など総合的な対策を実施し、投資意欲を喚起していく。

  6. 国は、今国会の法改正により、構造改革特区を制度とし、耕作放棄地が多い地域では、農地取得の下限面積を10アールまで緩和し、市町村、JA以外の者も市民農園が開設できるとしている。この制度の活用を図りながら、新規就農者への支援や都市住民との交流を促進し、農業を通じた健康づくりを進めていく。

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