平成22年2月定例会の報告


 平成22年2月18日に秋田県議会2月定例会が開会いたしました。
 この定例会は、平成22年度の当初予算の審議をはじめとした、秋田県一年間の方向付けを主体とした県予算であり、私達議院にとっては、大変重要な責任を担う緊張する議会であります。
 2月22日に、会派新みらいとして代表質問を行いました。
 時間制限45分の中での質問でありますので、すべてについては質問できませんが、県民の皆様のための福祉の向上や医療、農業、交通安全など、自分の想いも入った提案も含めた質問であります。
 今後とも、様々な観点から議論を深めて、県民の皆様が希望を持てるような議論を行ってまいります。
 ホームページに代表質問の全文と、知事及び警察本部長の答弁の全文を掲載します。


知事の政治姿勢について
土谷質問

会派新みらいを代表して、質問させていただきます。
 今、バンクーバー冬季オリンピックが開催されております。日本代表として、秋田県出身のアスリートの皆さんが、世界の舞台で活躍されていることは、私たち県民にとって励ましになるとともに、大いなる喜びでもあります。
 それでは、項目に従って質問に入らせていただきます。
 はじめに、佐竹知事の政治姿勢について伺います。
 昨年四月の選挙で、佐竹知事が当選されてから早一〇カ月が経過いたしました。その間、県民との対話を重視し、県民主体の県政推進に最大限の努力をなされていることと思います。
 しかしながら、知事就任後、八月の衆議院総選挙において、自民党政権から民主党政権に、国政は大きく様変わりいたしました。
 知事が、自身の選挙において出されたマニフェストを拝見いたしました。政治信条をはじめとする全般にわたって、大変きめ細かな内容でありましたが、私には理解の出来ないこともありますので、質問をさせて頂きます。
 政治信条の中で、知事は、『頑固者と言われますが、公正な依頼事は実現に務めてきましたし、また正しくないと思うことは拒んできました。これからも正しいと思うことを曲げない頑固さを持って、ふるさと秋田に明るさを取り戻すため進みます。』
とあります。
 私は、二〇一〇年産米の生産数量配分のてん末については、知事の政治信条とはかけ離れた行動のように思われます。
 赤松農林水産大臣の発言があったにしろ、十二月二十五日に転作率の市町村配分を取りやめ、十二月から一月に二回の協議会を行い、数年に渡っての解消策を検討し、決定されたにもかかわらず、農林水産省から派遣された総合食料局長と会談し、国の申し入れのとおり即決するというのは、今まで転作を遵守してきた農家に対して大変失礼なことで、知事の政治信条との整合性が取れないのではないかと思われます。
 私は、赤松大臣が発言した直後に間髪を入れず、秋田県代表として大臣に秋田県の現状を理解してもらえるよう、行動を起こすべきだったと思います。
 秋田市長二期八年間の主な実績の中に、『市長在任中、国内大手企業、市内企業合わせて約一九〇社のトップを訪問するとともに、企業懇談会などで、一、八〇〇社の幹部と交流しました』とあります。
 それほどの行動力のある知事が、どうしてすぐ上京して行動しなかったのか、不思議であります。
 何故なのか、そのときの心境も踏まえて伺いたいとます。


知事答弁

 特定の勢力や個人に与することなく、常に有権者の最大の幸福を念頭に置いて、公正かつ迅速に物事に対処することは、私の政治信条の基本であり、地方自治体の首長にあっては、このことが最も重要な姿勢であると考えております。
 ご質問の赤松農林水産大臣の発言に対する対応につきましても、結論から申し上げれば、こうした基本的な考え方に則って、不本意ではありましたが、生産現場の営農事情や県全体の利益を考慮し、できるだけ速やかに対処したものであります。
 今回の一連の経緯を振り返りますと、十二月八日の最初の大臣発言から、一月十四日に市町村への数量配分方針を決定するまでの間、県からの再三の要請にもかかわらず、結果的に、国から格差是正に関する明確な基準が示されなかったことは、極めて遺憾であったと言わざるを得ません。
 また、これまで生産調整に参加していただいてきた方々の心情を思えば、県の配分方針が決定した後で、一切のペナルティを認めず、戸別所得補償の対象から除外するという大臣の発言は、到底受け入れられるものではありませんでした。
 しかしながら、春作業の開始時期が間近に迫り、これ以上の配分の先送りが許されない状況だったほか、大臣の命を受けて十六日に本県を訪れた総合食料局長からは、「秋田県の配分方針のままでは、戸別所得補償の国の基準に合致せず、交付金に対して、会計検査院から不適正との指摘を受ける可能性がある」ことを示唆されたところでありました。
 さらには、「これまでの米政策とは一八〇度異なる考え方である」との大臣発言のもと、官僚、すなわち事務方との折衝を全く認めないという国の基本姿勢が示されており、加えて、他の農業関連予算確保への影響も懸念されておりました。
 また、事案は異なるものの、本県とやや類似した例として、子ども手当ての地方負担を拒否した自治体に対しては、国が強硬な姿勢で臨んだことなどもあり、様々な要素を考慮した結果、最終的に、県政を預かる責任者として、苦渋の決断をしたものであります。


財政問題について
土谷質問

 次に、財政問題について質問いたします。
 平成二十二年度当初予算案については、現下の厳しい経済状況や雇用情勢に配慮した内容となっており、予算総額も対前年三・五パーセントの増となり、知事就任後、初めてとなる本格予算に対する知事の並々ならぬ思いは十分に伝わってまいります。
 しかし一方では、県債残高など財政運営面では多くの課題が残っております。
 現在は、国の経済対策関連基金もあり、その活用が可能でありますが、基金がなくなる数年後には、さらに厳しい財政状況になることも想定されます。
 このため、プライマリーバランスなどの指標をもって財政規律を守り、財政の健全化に努めることも大切であると考えます。
 そこで、今回の当初予算編成作業に当たって、知事は、積極的な財政出動と健全化の線引きをどのように考え、予算編成に当たられたのかお伺いいたします。


知事答弁

 
平成22年度当初予算案では、元気な秋田づくりに向けて、「ふるさと秋田元気創造プラン」を本格的に展開する事業に予算を重点配分するとともに、「経済・雇用対策」に切れ目なく実施することとしております。
 一方、国の財政状況を見ますと、国債発行額が税収を上回るなど極めて憂慮すべき状況にあり、また、地方財政対策においても、地方交付税の不足分を補う臨時財政対策債が大幅に増加しております。
 このため、重点施策の積極的な推進とあわせて、財政規律の確保にも全力で取り組んだところであり、特に、「既存事業の見直し」と「県債発行の抑制」に留意して予算編成を行いました。
 まず、「既存事業の見直し」についてでありますが、新規・拡充事業の財源には、可能な限り歳出の縮減分を充当することとし、事業統合による施策の重点化を含め、既存事業について「選択と集中」を徹底いたしました。
 また、人件費や経常経費など行政コストの縮減も図ったところであります。
 こうした取組により、収支不足を五一億円にまで圧縮し、今後の行政需要に機動的な財政出動ができるよう、財政二基金の残高について三〇〇億円以上を確保いたしました。
 二点目の「県債発行の抑制」についてでありますが、国の地方財政対策により臨時財政対策債が大幅に増加していることから、これまでのように、行政改革推進債や退職手当債の発行に頼った財政運営では、将来の県民負担が増加し、財政の硬直化につながるおそれがあります。
 このため、これら財源対策的な県債発行は取り止めることとし、プライマリーバランスを大幅に改善させたところであります。
 現在、国の財政運営方針や経済の先行きが不透明な状況にありますが、こうした中にあって、県民生活向上のための施策を着実に推進できるよう、今後とも、持続可能な財政基盤の確立に務めてまいります。

経済雇用対策について
土谷質問

 
 次に、経済・雇用対策について伺います。
 現在、県内経済は極めて厳しい情勢にあり、これまで県としても、経済・雇用対策を実施しております。
 さらに平成二十二年度当初予算案においても、総額で七三二億円の規模で、切れ目のない対策を進めようとしております。
 対策の内容としては、経営安定資金の枠の拡大や公共事業等の前倒し発注などを実施してきたところでありますが、残念ながら、有効求人倍率は、〇・三四倍と、一時期よりは改善されているとはいえ、依然として低水準で推移しており、厳しい雇用状況が続いております。
 地域ごとに見ると、有効求人倍率や高校生の県内就職内定率については、由利と県南地域が低い数値となっており、地域の状況に応じた配慮も必要となっております。
 県の経済・雇用対策は、一月補正時点において、平成二十年度からの累計で約一、一〇〇億円の規模となっています。
 正確な表現でないことは承知の上で、あえて申し上げますが、統計上の数字からみると、約一、一〇〇億円を、県民一一〇万人で割れば、一人当たり約一〇万円になります。家族五人であれば、五〇万円の収入増となるわけで、それを考えると、果たして充実感や今後の期待感などの効果があったのかどうか、甚だ疑問であります。
 多くの県民には、対策の効果が実感できていないというのが現状ではないでしょう
か。
 今後とも、中・長期的な産業の成長戦略とあわせて、当面の経済・雇用対策を着実に推進して、県民に実効性が感じられるよう、改善すべきところは改善した上で、より効果のある対策を実施していくことが必要であります。
 これまでの経営安定資金に係る緊急経済対策枠など、金融・資金面の対策を実施することによる効果がどの程度あったのか、また、これまでの対策に工夫を加える余地がないのかについてお聞かせください。
 さらに雇用対策については、現在、国の雇用関連2基金を活用して雇用を創出しておりますが、この制度は、雇用期間が限定された、あくまでも一時的なものであります。
 当面の措置としては、やむを得ないものでありますが、今後は雇用された方のスキルアップを図って、常用雇用に結びつけていくことが求められると思います。
 そのために、どのような施策を実施しようとしているのか、また、経済情勢によっては、国の経済対策関連基金が無くなっても、県として一定の対策は実施していかなければならないものと考えます。どれくらい先を見越し、どのような展望を持っているのか、知事の御所見を伺います。


知事答弁

 
県内の経済・雇用情勢は、有効求人倍率が〇・三四倍と、一時期よりは改善しているものの、依然低水準で推移していることや、鉱工業生産指数の回復傾向が鈍化していることなどから、未だ本格的な回復には至っていないと考えております。
 また、個人消費も自動車や家電に持ち直しの動きがみられるものの、全体としては低調に推移しており、消費マインドも依然として冷え込んだ状況にあります。
 県ではこれまで、県民の雇用や暮らしへの不安を解消するため、金融対策、雇用対策、消費の下支え対策による県内需要の拡大などを柱に、一、一〇〇億円を超える切れ目のない対策を講じてまいりました。
 新年度におきましても、雇用対策基金の活用等による二、三〇〇人以上の新規雇用創出や、前年を大きく上回る規模の県単独公共事業を計上するなどの、経済・雇用対策に引き続き取り組むこととしております。
 中でも、経済安定資金については、一月末現在で、件数で約七、〇〇〇件、金額で一、二〇〇億円を超える実績があり、厳しい経済情勢にもかかわらず、倒産件数が昨年七月以降、七カ月連続で一桁にとどまっていることからみて、企業倒産の抑制、ひいては雇用の維持に一定の効果を上げております。
 本県の経済安定資金制度は、保証料を含めた実質負担が一・九三パーセントと低く、融資限度額も二億円に引き上げるなど、全国的にみても利用しやすいものとなっております。
 今後も、金融・資金面に限らず、県内企業の動向を充分見極めながら、機動的な対策を講じてまいりたいと考えております。
 また、これまでの雇用対策基金などによる雇用創出は、約四、五〇〇人にのぼっておりますが、その中には、就労中に身についた知識や技術を活用し、事業終了後の継続雇用に結びついた事例も出てきております。
 これからも、正規雇用した場合に支給される助成金のPRに務めながら、事業終了後の継続雇用について、事業主に対し積極的に働きかけてまいります。
 いずれにいたしましても、経済・雇用情勢の本格的な回復のためには、こうした臨時・緊急的な対策にとどまらず、将来の本県を支える成長産業の創出や育成が不可欠
であります。
 そのため、「ふるさと秋田元気創造プラン」では、「秋田に、新たな戦略産業を創出する」ことや、「秋田の食・農・観を丸ごと売り出す」ことを目標として掲げ、今後四年間において重点的に取り組むことといたしました。
 とりわけ、新エネルギー関連産業は、自然豊かな本県にとって、大きな成長が見込まれる分野でありますので、これまで蓄積してきた電子部品・デバイス分野の技術を活用しながら、本県産業の中核として育成してまいります。
 また、食品産業についても、本県の有する豊富な食資源・素材を活用した「売れる商品づくり」を進めることにより、その振興と拡大を図り、将来の安定的な雇用の確保につなげてまいりたいと考えております。
 

医療問題について
1 厚生連病院支援に関する基本姿勢について

土谷質問

 次に、医療問題についてであります。
 はじめに厚生連病院についてでありますが、県内各地に県立の総合病院を持たない本県では、厚生連病院が二次医療圏の中核をなしてきたと言えます。
 しかしながら、診療報酬の改定や改築のための建設投資、それに医師不足などにより赤字決算となり、県の支援策として、昨年約十三億円の緊急支援を行ったところです。
 また、県からの人材派遣などにより、「経営改善計画」を策定し、業務執行体制の見直しや、財務改善対策などに取り組んでいるとのことであります。
 この計画が順調に進み、経営が改善されることを期待しておりますとともに、公的な役割を担っていることを考えると、県としての支援は当然のことと思われます。
 これまでの財政支援の基本スタンスは、政策医療部門には、国の補助制度も活用しながらの支援で、病院運営そのものについては補助は原則として行わないとのことでありました。
 しかし、厚生連の経営改善計画によれば、湖東総合病院のあり方についてではありますが、報告に「運営費に対する補てんなど従前の枠組みを超える地元行政や県からの多額の財政支援がない限り、事業の継続は困難」とされております。
 このことを踏まえて、厚生連の経営改善計画をどのように受け止めているのか。特に財政支援のあり方に対する、県のスタンスを伺いたいと思います。

知事答弁

 昨年十二月一日に、厚生連から「経営改善計画」を受け取ったところでありますが、計画は、厚生連の経営全体を包括的に検証し、改善に向けた方策を真摯に検討した内容となっております。
 その中で、厚生連は公的医療機関としての責務を担い、「医療機能の見直しに基づく良質な医療の提供」と、病院存続に不可欠な「経営健全化」の両立を目指すため、今後も積極的な改革姿勢を明らかにし、地域医療に貢献すると明記しております。
 厚生連病院は、二次医療圏の中核的な医療機関として、救急や周産期、がん医療等
地域医療を守る重要な役割を担っており、その着実な実行を県としても期待するものであります。
 厚生連への支援に当たっては、厚生連病院が本県医療に欠かせない存在であることから、今後とも厚生連自身の経営改善能力を前提としつつ、積極的にバックアップしなければならないと考えております。
 今般、厚生連を含めた地域の中核的医療機関について、救急勤務医手当の創設や医療機器の整備など、政策医療に対する支援を強化しておりますが、今後とも、それぞれの医療機関の状況を踏まえ、地域医療確保の観点から、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

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